Q16 — AWS SAA-C03 第15章
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Q1116. ある企業は、少量のデータストレージしか使用しないステートレスなWebアプリケーションを単一のAWSリージョン内でホストしています。この企業は、アプリケーションの耐障害性を高め、マルチリージョン構成を実現したいと考えています。また、復旧時間目標(RTO)および復旧時点目標(RPO)を「数時間以内」としたいとしています。さらに、低コストかつ低複雑度のディザスタリカバリ(DR)戦略が必要です。この企業が採用すべきDR戦略はどれですか?
- A. ウォームスタンバイ
- B. パイロットライト ✓
- C. バックアップとリストア
- D. マルチサイトアクティブ-アクティブ
正解: B. パイロットライト
解説
企業の要件に最も適したディザスタリカバリ(DR)戦略を特定するため、与えられた制約を分析し、各選択肢を評価します。 ■ 要件: ・マルチリージョン構成:アプリケーションは複数のAWSリージョン間で耐障害性を持つ必要があります。 ・RTOおよびRPOは「数時間以内」:障害発生後の最大許容停止時間(RTO)および最大許容データ損失量(RPO)が、秒や分ではなく「時間単位」で許容されます。 ・低コスト・低複雑度:DR戦略は費用対効果が高く、実装・運用が容易である必要があります。 ■ 主な検討事項: ・RTO/RPO: RTOは障害発生後、サービスを復旧させるまでの最大許容時間です。 RPOは障害発生時に失われる可能性のある最新データのタイムスタンプ(つまり、最後に保存された時点)を示します。 「数時間」レベルのRTO/RPOは、一定のダウンタイムおよびデータ損失が許容されることを意味し、よりシンプルで安価なDR戦略が適用可能になります。 ・マルチリージョン耐障害性: プライマリリージョンに障害が発生した場合、セカンダリリージョンへ自動的にフェイルオーバーできる必要があります。 ・ステートレスWebアプリケーション: アプリケーション自体に状態(state)がないため、リージョン間でのメモリ内状態の同期は不要です(データストレージのみの考慮で十分)。 ・少量のデータストレージ: データ量が少ないため、データ複製も簡易的に行えます。 ■ 各DR戦略の評価: A. ウォームスタンバイ: セカンダリリージョンに、縮小された規模(例:インスタンス数を減らした状態)でアプリケーションの一部が常時稼働しています。障害発生時には、セカンダリリージョンのリソースをスケールアップしてフルトラフィックを処理します。 ◎利点:バックアップとリストアより高速な復旧(RTOは数分〜数時間)、継続的なデータ複製によりRPOも小さい。 ✗欠点:セカンダリリージョンでリソースを常時実行するため、コストが高く、スケーリングロジックや監視の設定など中程度の複雑さを伴います。 →「低コスト」要件には不適切です。 B. パイロットライト: セカンダリリージョンには、最小限のアプリケーション構成(例:データベース、最小限のコンピュートリソース、ネットワーク設定など)のみをあらかじめデプロイしておきます。障害発生時には、その環境をスケールアップしてフルトラフィックを処理します。 ◎利点:バックアップとリストアより復旧が速く(RTOは数時間)、データは事前にセカンダリリージョンへ複製されるためRPOも小さい。 ◎欠点:バックアップとリストアよりは若干複雑ですが、実行中のリソースは最小限のため、ウォームスタンバイより大幅にコスト削減できます。 → コスト・複雑度・RTO/RPOのバランスが最も優れています。 C. バックアップとリストア: アプリケーションおよびデータを定期的に(例:1日1回)セカンダリリージョンへバックアップし、障害発生時にそのバックアップから新規環境を構築・復旧します。 ◎利点:セカンダリリージョンでリソースを一切実行しないため、最も低コスト・最低限の複雑さです。 ✗欠点:RTOはバックアップ頻度および復旧所要時間に依存し、「数時間以内」を保証できない可能性があります(場合によっては数日かかる)。RPOも直近のバックアップ時点まで遡るため、最大で数時間分のデータ損失が発生します。 → RTO/RPO「数時間以内」の要件を確実に満たせないため不適切です。 D. マルチサイトアクティブ-アクティブ: 複数のリージョンでアプリケーションを同時稼働させ、DNSやロードバランサなどでトラフィックを分散します。障害発生時は、残存するリージョンへトラフィックを自動再配信します。 ◎利点:RTOは数秒〜数分、RPOはほぼゼロ(全リージョンでリアルタイム同期)という最高度の可用性。 ✗欠点:すべてのリージョンでフルキャパシティのリソースを常時稼働させるため、最も高コスト・最高レベルの複雑度(同期処理、競合解決、トラフィック管理など)を要します。 → 「低コスト」「低複雑度」要件に反します。 ■ 結論: 低コスト・低複雑度・RTO/RPOが「数時間以内」という要件を総合的に満たすのは、**パイロットライト戦略**です。 ・ウォームスタンバイよりコストが低く(セカンダリリージョンでは最小限のリソースのみ稼働) ・マルチサイトアクティブ-アクティブより複雑度が低く(リアルタイム同期やトラフィック分散の設計不要) ・RTOはスケールアップによる数時間以内の復旧が可能であり、RPOもデータの事前複製により十分に小さく保てます。 正解:B(パイロットライト)